ほとんどのニセ・パテックは、確信犯的に購入されるのであろうが、中には本物と信じて
買ってしまう方も居ると思われるので、警鐘として掲載しておく。
シャレは許されるだろうが、売って儲けるのは詐欺です。
[フェイク パテック No.2 :さるオークションサイトより転載]
まず、元箱からして全然違うのであるが、Ref.5970風には見える。
[フェイク パテック No.2 :さるオークションサイトより転載]
今度のはWG風ケースにブラックダイヤル、WG風リーフハンド、アップライト・インデクス、
サブダイヤルやタキメーターなど造りはけっこう繊細である。
しかし、秒針が走っているようだが、これはクロノグラフではなくてセンターセコンドか?
前回同様にカレンダーがなく、ムーンフェイズは搭載。
[フェイク パテック No.2 :さるオークションサイトより転載]
ケースバック側を見ると、今度のは裏スケではないが、カラトラバ文様が?
しかし、ラグ幅がデカいしストラップのテーパーがパテックらしくない。
[PP ノーチラス Ref.3700/1 :Shopリストより転載]
オリジナル ノーチラス Ref.3700 は年代的にも古くなっているので出物は少ないが、
中でも18K無垢はレアだろう。海外のオークションサイトでも数が少ないし、
相当のプレミアムを付けてListされている。
たもそも18K無垢ノーチラスを物色する過程で、Ref.3700/Jを検討したのであるが、
まず、価格がかなり高いこと、ケースサイズが大き過ぎる懸念があること、
また、秒針がなくスケルトンでもないことから見送った。
レアなノーチラスは威張り度が高く憧れるものだが、秒針がないと時計が動いているか
どうかが識別し辛いし歩度の状態も分かり難い。ちょっと手を出しにくいRef.であった。
しかし、このプライスはお買い得だと思う。
直ぐに見破られる。しかし、中にはかなり精巧に造られているものや、ダイヤルが
正確にコピーされていたりして、高度なニセモノも存在している。
こうしたハイグレードなフェイク・パテは海外のオークションサイトでよく見られる。
ところがコイツは国内でリストされてきた。
[フェイク パテック :国内オークションサイトより転載]
Ref.5970Gを模したダイヤルデザインでハンドもリーフハンドだから
けっこうよく出来ている。サブダイヤルも雰囲気は出ている。
しかし、肝心なところで、まずカレンダーが無い、マンスもデイトもデイもなし。
これでは直ぐにバレる。その上、ムーンフェイズもちょっとおかしい。
月齢の表示が24までしかない。月齢は0から29.5までないと間違いだろう。
[フェイク パテック :国内オークションサイトより転載]
こちらはケースバックで、ご丁寧にもスケルトンだ。
キャリバーはピラーホイールのある手巻きクロノグラフのようだ。
けっこう凝っている。
だが、ケースバックの取付けがネジ留めでちょっとヘンである。
裏面はパテックらしさがない。
しかし、プライスは本物並みだ。
OVH上がりで好調な、PP ノーチラス Ref.3800/1J である。
[パテック Ref.3800/1 :photo by たもそ Galaxy S2]
YG無垢ノーチラスだが、このようにビジネスシーンでも違和感なく溶け込める。
いや、むしろ肌の色と馴染むYGカラーなので腕との一体感がヨイ。
購入する時は、主にオフタイムで使う積りでいたのだが、オンビジネスでも
全然フィットするので完全にメイン・ローテーションに入っている。
画像では時計が大きく見えるが、それは恐らくたもその腕が華奢過ぎるのであろう。
本当は腕周りが18cmくらいあると、もっと色々な時計が楽しるので羨ましい。
結果が今一思わしくなかった、パペカレ Ref.3940/Jについて追試を行なった。
というのも、パペカレをタイムグラファーで計測した時の状況を思い出すと、
ワインダーで半日ほど巻いた状態で、そのまま計測したのであった。
つまり、もしかしてパワーリザーブが十分ではなかった可能性がある。
タイムグラファーでの計測は、フルリザーブで計るのが原則で
ゼンマイが解けるに連れてトルクが低下して振り角が落ちるのは
当たり前だからである。
そこで、改めて手巻きで十分巻き上げた上でタイムグラファーに載ってもらった。
(タイムグラファー、文字板上で計測)
追試の結果、文字盤上での計測では
日 差 : +13秒
振り角 : 297度
ビートエラー : 0.6mS
振動数 : 21600bph
と出た。
おー、今度はチャンと振り角出てるぞ!
日差はあまり変わらないが、振り角は300度近く回っている。
これなら機械の状態は悪くなさそうである。
ただし、日差やビートエラーの状態から徐々に劣化の途上にあるのかもしれない。
とは言え、取り敢えず問題がなさそうなのでホッとしたんであった。